町中華の世代交代──思い出す交通飯店の記憶

最近、町中華の世代交代について考えることが増えた。
ここ数年で、大好きだった町中華が暖簾を下ろしている。

町中華を巡るようになってから、都内を中心に各地の店をGoogleマップにピンをつけ保存した。時間ができると地図を開き、次はどこへ行こうかワクワクすることが楽しみだった。
久しぶりに見返すと「閉業」「臨時休業」の文字が目につくことが多くなった。

それが、この数年で加速しているように感じる。
その理由は様々で、店主の高齢化、区画整理による立ち退き、物価高騰でいっそのこと閉めてしまおう………。店ごとに理由はあれど、多くの店に共通して言えることは、後継者がいないことだった。

2022年の春に閉店した、有楽町・交通会館地下1階にあった『交通飯店』も、私にとって忘れられない店のひとつだ。
昼時には長い行列ができる人気店だった。看板メニューのチャーハンは、ハム、ネギ、卵だけのシンプルな一皿。それなのに、なぜか何度食べても飽きなかった。閉店を知ったときは、本当に残念だった。

──もう二度と食べられないと思っていた。

けれど数年後、そのチャーハンと再会することになる。

場所は有楽町ではなく、神奈川県川崎市。
交通飯店の二代目が新たに開いた『武ろく』だった。

交通飯店の味を継承する武ろくのチャーハン

確かに交通飯店の面影が残っていた。
チャーハンや餃子は当時の味を受け継ぎながらも、店には武ろくだけの空気が流れていた。

交通飯店の味を守るだけではない。
店主自身が考え、生み出した新しい料理も並ぶ。昔のまま残すことだけが継承ではないと感じた。
大切なものを残しながら、新しい店として歩み始めることもまた、ひとつの世代交代なのかもしれないと考えさせられた。
→交通飯店のチャーハンと再会した記事はこちら

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